ハゲ増す会始動する!

パン君とりー坊、その仲間のストーリーです。

2012年4月〜


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第二回ハゲ増す会 その6



 ダンシの部屋で夕飯の準備ができた。七期生のひで君も道に迷いながら到着した。
 二時間飲み放題だ。

「第二回ハゲ増す会、カンパ〜イ!」

 とにかくみんなよく飲む。七期生のひで君とまりえちゃんが、よく気がついて、宴会をサポートしてくれていた。
 なぜかパン君のお膳に毛ガニが集まってきて、山積みになった毛ガニと格闘していた。その間、パン君は無口になった。蟹を食べるとなぜか無口になる。
 あっという間に宴会も終わった。そこにいた仲居さんにりー坊が切り出した。

「このホテルには、カラオケが歌える場所とか・・・」

 そこまで言って、そっぽを向いた。こんなニコニコホテルに、そんな施設がある筈がないが、1%の希望にかけるような気持ちでりー坊が言っているのがよくわかった。私もある筈ないと思った。質問するのも無駄である。そしてりー坊はそっぽを向いたまま続けた。

「カラオケが歌える場所とか、ないですよね?」

すると仲居さんが、

「あいにくそのような施設はございません」

とすまなそうに言った。私はやっぱり、と思った。そういう施設がこの黒カビホテルにあるはずがない。仲居さんがいなくなったあと、私が文句らしいことを言うと、すかさず林君が、

「二時間飲み放題付きの部屋食でこの値段だろ?こんなもんだよ!」

と言い、

「あ〜〜!俺が悪かった!東川に宿泊先まかせたのは俺だから!」

とやっぱりそっぽを向いて、りー坊が言った。

 仕方がないので、お膳を片付けてもらった後、それぞれが持参した焼酎だとかビールだとかとおつまみを持ち寄り、車座になって、宴会を続けた。そのうち、眠たくなったのか、りー坊が部屋の隅で、仰向けになって、寝てしまった。

 そこからとんでもないことが起こった。
 りー坊のその寝顔を眺めていたまりえちゃんが、とつぜん思い付いたように、いたずらを始めたのだ。

 まず、口にさきイカを加えさせた。そのさきイカは、口よりだいぶはみ出していて、何ていうか髭のようでもあり、とても滑稽だった。その写真を撮った。でもまりえちゃんは、どことなく不満そう。今度は、口に加えさせたさきイカに加えて、両方の鼻の穴にカシューナッツを詰め込んだ。そして、その写真をまた撮った。今度は満足気だ。
 その写真を私たちに見せてくれた。

「プッ!」

 あまりにも滑稽で思わず、吹き出してしまった。
 まりえちゃんは今度はそれを、何ということか、コメントを添えてミクシィにアップしていった。ツーパターンの写真を。

 私も急に眠くなってきて、ジョシの部屋に行き、眠ってしまった。ここから先のできごとは、サラが見聞していて、翌日私に教えてくれた。

2014.1.4 Vanilla記



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