パン君とりー坊、その仲間のストーリーです。 |
2012年4月〜
|
1もくじと主な登場人物に戻る。 |
次のページの 11第二回ハゲ増す会その7へ。 |
ダンシの部屋で夕飯の準備ができた。七期生のひで君も道に迷いながら到着した。 二時間飲み放題だ。 「第二回ハゲ増す会、カンパ〜イ!」 とにかくみんなよく飲む。七期生のひで君とまりえちゃんが、よく気がついて、宴会をサポートしてくれていた。 なぜかパン君のお膳に毛ガニが集まってきて、山積みになった毛ガニと格闘していた。その間、パン君は無口になった。蟹を食べるとなぜか無口になる。 あっという間に宴会も終わった。そこにいた仲居さんにりー坊が切り出した。 「このホテルには、カラオケが歌える場所とか・・・」 そこまで言って、そっぽを向いた。こんなニコニコホテルに、そんな施設がある筈がないが、1%の希望にかけるような気持ちでりー坊が言っているのがよくわかった。私もある筈ないと思った。質問するのも無駄である。そしてりー坊はそっぽを向いたまま続けた。 「カラオケが歌える場所とか、ないですよね?」 すると仲居さんが、 「あいにくそのような施設はございません」 とすまなそうに言った。私はやっぱり、と思った。そういう施設がこの黒カビホテルにあるはずがない。仲居さんがいなくなったあと、私が文句らしいことを言うと、すかさず林君が、 「二時間飲み放題付きの部屋食でこの値段だろ?こんなもんだよ!」 と言い、 「あ〜〜!俺が悪かった!東川に宿泊先まかせたのは俺だから!」 とやっぱりそっぽを向いて、りー坊が言った。 仕方がないので、お膳を片付けてもらった後、それぞれが持参した焼酎だとかビールだとかとおつまみを持ち寄り、車座になって、宴会を続けた。そのうち、眠たくなったのか、りー坊が部屋の隅で、仰向けになって、寝てしまった。 そこからとんでもないことが起こった。 りー坊のその寝顔を眺めていたまりえちゃんが、とつぜん思い付いたように、いたずらを始めたのだ。 まず、口にさきイカを加えさせた。そのさきイカは、口よりだいぶはみ出していて、何ていうか髭のようでもあり、とても滑稽だった。その写真を撮った。でもまりえちゃんは、どことなく不満そう。今度は、口に加えさせたさきイカに加えて、両方の鼻の穴にカシューナッツを詰め込んだ。そして、その写真をまた撮った。今度は満足気だ。 その写真を私たちに見せてくれた。 「プッ!」 あまりにも滑稽で思わず、吹き出してしまった。 まりえちゃんは今度はそれを、何ということか、コメントを添えてミクシィにアップしていった。ツーパターンの写真を。 私も急に眠くなってきて、ジョシの部屋に行き、眠ってしまった。ここから先のできごとは、サラが見聞していて、翌日私に教えてくれた。 |
2014.1.4 Vanilla記 |
このページの一番上へ▲ |
このページの感想は、Cafeつぶ庵(掲示板)までどうぞ。 入院中の進行性核上性麻痺のリュウと多動と自閉症の個性を持つ次男ワタルとの日常を綴った私バニラのブログ「やさしいまなざし」はここをクリックしてください。 |
Copyright (C) 2003-今年 Vanilla Web Site All rights reserved. |