パン君とりー坊、その仲間のストーリーです。 |
2012年4月〜
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翌日私が早朝目を覚ますと、他のジョシはまだ寝ているようだったので、一人で温泉に入りに行った。 女風呂には先客が一人いた。年配の女性のようだった。湯船に入ろうと、つま先をお湯につけるのだが、すぐに引っ込める。どうしたのかと思い尋ねてみると、「熱すぎて入れない」とのこと。「こっちの浴槽はどうですか?」と私が言うと、同じくらい熱いとのこと。私も確かめてみた。 「あっつ〜い!」 本当に熱い。とても入れるような温度ではなかった。その女性はあきらめて、そのまま上がってしまった。私は、温泉に入りに来たのに、入れないのはおかしいと思い、思いきって入ってみた。が、バラエティー番組でよく見る熱湯風呂に入るタレントみたくなった。 (このホテル、信じられない!頭に来る!) 二日目の今日もまたそう思った。 部屋に戻ると、サラが起きていて、昨日の続きを教えてくれた。 「あの後ね、りー坊が目を覚まして、ミクシィに写真をアップしたこと知って、激怒したの。それでね、まりえちゃんがミクシィから全部写真を消していたわ」 サラは、可笑しいねという風に笑っていた。 「その後、またみんなで飲み始めたんだけど、まりえちゃんがパン君に殴られて、泣いちゃったの」 「え!ど、ど、どうしたの?」 「うん、ちょっとね。今まりえちゃん、隣の部屋に行ってるから、私たちも行こう」 そう言って、私とサラは隣の部屋に行った。みんないた。 「おはよう〜。昨日、まりえちゃん、パン君に殴られて泣いちゃったんだって?」 「ハイ・・・、すごく痛かったのと、自分が情けなくて、泣いてしまいました」 するとパン君が口を開いた。 「まりえちゃん、ここのところ酒癖が悪くて、俺とりー坊の頭バシバシ叩くだろ?」 あ〜、そう言えばそうだ。ミクシィで、パン君とりー坊が、地元ミニハゲ増す会でまりえちゃんが、頭を叩いてくるって書き込んでいたっけ。止めろといくら言っても、叩いてくるって。第一回ハゲ増す会の二次会でも、酔ったまりえちゃんが隣に座ったパン君とりー坊の頭をパシパシ叩いていたっけ。 ついに堪忍袋の緒が切れちゃった? 「俺、髪の毛ないから、直接響くんだよ!気がつかないと思うけど、髪の毛って、本当に大事なんだよ!有り難いものなんだよ!」 カミノケ、ダイジ、アリガタイ・・・ その真剣なパン君の口調が、私の頭の中にその後もずっとずっと残った。 「そんなことが・・・。あと、りー坊の写真もミクシィから削除を?」 そう私が言って、今度はりー坊を見てみると、りー坊がかんかんに怒っていた。 「一番最初に寝てしまった俺が悪かったんだ!次は一番最後に寝るからな!覚えておけ!」 ふと、まりえちゃんと見ると、ひとり言をいいながら、スマホをいじっていた。 「この写真、りー坊さんの着信の待ち受けに登録しましたから、電話かけてみてください」 「電話なんかするもんか!その元の写真も消せ!今すぐ消せ!」 「え〜〜っと、そうだ・・・、バニラさんに送信完了。サラさんにも。ひで君にも」 そう言うや否や、私のスマホにあのりー坊の写真が届いた。それを見て、やっぱり、クスっと笑ってしまった。 「くっそ〜!覚えておけ!次はぜったいぜったい、一番最後まで起きててやるっ!」 りー坊は、定山渓のニコニコホテルで、そう叫んだ! |
2014.1.4 Vanilla記 |
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