ハゲ増す会始動する!

パン君とりー坊、その仲間のストーリーです。

2012年4月〜


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「ハゲ増す会」発足



 それは、不思議はセリフだった。

 私が南風南高校に入学し、二年生になった時、G先生が初めて担任としての挨拶を私たちに、教壇から発した時だった。

「いま、クラス替えもして、先生とみなさんは二年C組になりました。先生とみなさんが、そしてクラスメート同士が一緒になったのは、偶然ではありません。もう決まっていたことです。持ち上がりなので三年生になっても同じメンバーです。そして、卒業してからもずっと、付き合っていくでしょう」

 そのG先生のセリフがずっと頭のどこかに残っていたからか〜、今(2013年)から12年前の2001年の1月、私はもらった年賀状を見て、ひらめいたことがあった。

 当時は携帯電話は普及していなく、パソコンが各家庭に入り始めた頃で、年賀状にパソコンのメールアドレスが添えてあるようになったのだ。

   高校生のとき、私たちは教室に入って、「おはよう」と言い、クラスメートとたわいのない会話をした。また、その日常が戻らないかな?そうだ!巨大掲示板ヤフーに掲示板を作ろう!でも、クラスメートに限定しないで、卒業生にしよう!

 そう思い、「道南」カテに2001年の1月「南風南高校の卒業生集まれ!」のトピを立てた。立てたと同時に、年賀状を見て、3年C組の女子3人にメールを送った。

「ヤフー掲示板に高校のトピを立てたから来て!」

 掲示板のアドレスを添えた。

 すぐに、サラが登場した。そして、りこちゃん。女子が落ち着いた頃、年賀状を見て3年C組の男子に連絡した。まずは、パン君。パン君の登場は、連絡してからちょっと経ってからだった。
 添えられたアドレス、クリックしても開かなくて、アドレスをひとつずつ直接入力して来たと言って、登場してくれた。

「え!掲示板のアドレスは、長さで言えば、30センチくらいあって、&とか=とか数字とか英字とかわけがわからない羅列で、それを一個一個手で入力して来てくれたの!」

とびっくりした。
 そして、パン君の親友のりー坊にも連絡しようとしていたら、りー坊が掲示板に登場した。パン君から連絡が行っていたのだ。その後、パン君から甲斐君に連絡が行き、りー坊からは、二個下の四期生の後輩に連絡が行き、タンクが参加してくれた。

 みんな「おはよう」とか、天気の話しとか、たわいのない日常の話題を書き込んだ。そして、その年の暮れ、掲示板を開設してから第一回目の忘年会がススキノで開かれた。

 しばらくして私たちの日常の何気ないやり取りを見ていて、興味を持ってくれた七期生のアシモ君が掲示板に参加してくれた。アシモ君の奥さんであり、アシモ君の南風南高校の同級生のアシモさんも参加してくれるようになった。夫婦で掲示板に参加してくれた。アシモ夫妻は関東から書き込んでくれた。
 それからさらに、アシモ君から友だちのひで君、ひで君からは友だちのまりえちゃんに連絡が行き、掲示板に参加してくれた。アシモ君の一個下のお友だちの八期生のぴぴちゃんも、参加してくれた。

 私は、顔が見えない掲示板だけではなく、年に一回くらいは顔を合わせた方がいいと思い、みんなに提案し、忘年会を中心に集まった。場所はススキノで、一次会は私が設定。二次会からは、りー坊が設定してくれた。3年C組の担任のG先生に連絡をしたら、都合の付くときは必ず参加してくださった。嬉しかった。

 会うと私たちは、高校生に戻ったような気分になった。当時の高校生活のエピソードや流行などを話した。
 それから、自分たちの家庭のことや、仕事のこと、健康のことも話題にした。
 サラは、私と同じ市内に勤めている看護師さんで、それまでS病院になかった「神経内科」が設置されること、その先生はサラと一緒の病院で働いているH先生だということなどを教えてくれていた。そのサラの情報のおかげで、リュウはS病院に通い始められるようになった。

 その何気ない状態が去年の2012年の1月まで続いた。掲示板開設してから11年が経っていた。掲示板を始めたとき3歳だったワタルも中学生になっていたから、すごい年月だ。

   2012年の2月のある日、りー坊が不特定多数が閲覧出来るヤフーの掲示板の私たちのトピックに、次の内容を書き込んだ。

「パン君がいま病気です。病名は、原発不明癌です。本人の了解も得て、ここに公表します」

と。
 私はただただびっくりした。次の日、パン君に電話した。

「大丈夫なの?」

 パン君は、発見に至るまでのことを電話で話してくれた。体調がおかしくて、受診したのは2011年の11月とのことだった。

 りー坊のメールには、

「笑うと免疫力がアップして、病気にいいから、笑わせたい」

と書いてあった。

 私は・・・、元来が真面目な性格なので、パン君を笑わせることができるのか、とても自信がなかったが、2012年の4月りー坊の音頭で、第一回目のハゲ増す会がススキノで開かれた。G先生も来てくれた。

2013.2.24 Vanilla記



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